ハート・ロッカー

ハート・ロッカー」、ジェレミー・レナーアンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティほか出演、キャスリーン・ビグロー監督、アメリカ、2008


イラク戦争でのアメリカ軍の爆弾処理班の映画。爆弾処理のエキスパート、ジェームズがイラクの米軍爆弾処理班B中隊に復帰するところから話がはじまる。部隊員はトンプソン、サンボーン、エルドリッジほか。戻ってきたばかりのジェームズ以外は除隊間近なのだ。しかしそうかんたんにはいかない。

トンプソンは、携帯電話で爆弾を遠隔操作するテロリストの手にかかって死亡。砂漠の途中で偶然会ったPMCの社員たちは、砂漠に建っている塔の中から撃ってくる狙撃兵にやられて死亡。基地に遊びに来ていたサッカー好きの子供、ベッカムは、腹に爆弾を詰め込まれて人間爆弾にされそうになったところが手術が失敗して死亡。軍医のケンブリッジは談笑していた相手がテロリストで、爆弾に吹き飛ばされて死亡。

エルドリッジは、テロリストに拉致されそうになったところをジェームズとサンボーンに助けられるが、流れ弾を足に受けて大腿骨はズタズタになってしまう。からだじゅうに爆弾をくくりつけられて人間爆弾にされたイラク人が助けを求めてやってきた。ジェームズはなんとかこの男を助けようとするが、爆弾は厳重に鍵で縛ってあり、しかも時限式。結局外せなくて男は死亡。

ジェームズはアメリカの自宅に戻るが、もはや爆弾のことしか考えられない。家庭にいたのでは我慢できないのだ。ジェームズがまたイラクに戻ってきたところで映画はおしまい。


とにかく爆弾はどこに仕掛けられているのか、どうやって爆発するのか、誰が敵なのかがわからない。なんでも誰でも爆弾に見えてくる。そして主人公のジェームズは完全に爆弾処理オタク。とにかく爆弾を外すことだけに神経が集中していて、自分や部隊員の命は二の次。任務や命令だからやっているのではなく、爆弾を外す作業にとりつかれているからやっているのだ。

自宅に帰ってから自分の子供にブツブツつぶやいているジェームズはもう半ばいっちゃってる人。メッセージ性がロコツでない分、余計に陰惨な映画。