武器の歴史大図鑑

リチャード・ホームズ編(五百旗頭真、山口昇監修、山崎正浩訳)『武器の歴史大図鑑』、創元社、2012

これは大した本。リチャード・ホームズは、イギリス王立武器博物館の評議員で、この本はその所蔵品のカタログ。

先史時代から現代におよぶ、また西洋世界だけでなく、東洋、イスラムオセアニア世界にまで及ぶ、個人武器(刀剣類、弓矢、銃=軽機関銃や携帯用ロケット発射機まで、および甲冑類)のカタログ。

ほぼすべてに「実物の写真」が入っており、実物の細かい細工までよくわかる。銃については、年代別に基本的なメカニズムが図示されている。

アステカの投槍は、スペイン人の甲冑にどこのくらいの威力があったのか、ヨーロッパのメイル・アーマー(楔帷子)の防御力、アジア諸地域での弓の形態の違い、といった、これを読まないと簡単には知ることができないようなことがわかる。銃ひとつとっても、時代順に代表的な小銃や拳銃が並べられているので、形態的な変化がどのようなものであったかがわかる。

判型も大きく全ページカラーで、12000円。内容を考えれば高くはないが、個人で買うのは考えるわ。これを図書館に入れてくれた選書担当者に感謝。