靉嘔 ふたたび虹のかなたに

「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」、東京都現代美術館

名前は、「あいおう」と読む。

絵描きの名前は読むのが難しい。この人は1931年生まれなので、まだ存命である。それでも最新作は去年ぐらいに描いているので、まだ現役らしい。えらすぎる。

活動を始めたのは1950年代なので、オノヨーコやナム・ジュン・パイクらとも一緒に活動しているのだ。

この人の作品の主要なモチーフになっているのが、「虹色のグラデーション」。とにかく何でもかんでも虹色に塗ってある。いろんな形を虹色になりたいが、数十枚も並んでいると、見ててだんだん楽しくなってくる。

もちろん、違う色が接したところをどう塗り分けるか、どのくらいの面積で塗り分けをするかは、緻密に計算されているので、違和感を抱くようなところはない。

最近は虹色以外の作品を作っているようだが、どの作品も明るい感じで、何も考えずにへらへら見ていられる。こういうタイプの見る側が色々考えなくて済むような絵は、ある意味貴重だし、作品点数が非常に多いにもかかわらず見ててあまり疲れない。

東京都現代美術館はやたら広いので、散々歩き回らされたが、これは素直に観てよかったと思った。こういう展覧会を結構かければ、広島の原題美術館にももう少し客が増えるかもしれないのに。