新国立劇場、さまよえるオランダ人

ワーグナーさまよえるオランダ人

T・ネトピル指揮
M・V・シュテークマン演出
D・ランデス: ダーラント
J・ウィルソン: ゼンタ
T・ムツェック: エリック
竹本 節子: マリー
望月 哲也: 舵手
E・ニキティン: オランダ人

新国立劇場合唱団、東京交響楽団

新国立劇場、2012.3.14


新国立劇場さまよえるオランダ人。これは昔オペラ映画で見ただけで、実演を見たことはないので非常に楽しみにしていた。

1幕は良かった。2幕は退屈。3幕は素晴らしい。オペラの出来に忠実な演奏という感じ。

歌手ではやはりできているのが、オランダ人役のニキティンとゼンタ役のウイルソン。この2人はさすが。ウィルソンは新国立劇場のホームページの写真より、でっぷりと貫禄があって、まあ、ワーグナー歌手ですね。2人とも声は劇場突き抜けるほど出ていた。

ダーラント役は、体調不良とのことで1幕が終わった時点で代役に交代。代役はそれほどのできではなかったが、ダーラントの出番は1幕でほぼ終わっているので大した問題はなし。

そういえば、3幕の最初の水夫の合唱のところで、いきなり地震が来て驚いた。4階は結構揺れていた。舞台の人達は動じずに公演を続けていて、さすがはプロ。

個人的に1番褒めたいのは合唱。3幕始めの、水夫、娘たち、幽霊船の船員のところが、圧倒的な迫力で、これを聴けただけでもこの公演を見たかいがあったと思う。

シュテークマンの演出は、非常にオーソドックスな印象。昔観たオペラ映画ともよく似ていた。舞台の後からゆうれい船がせり上がってくる迫力は、新国立劇場でなければ見られないかっこよさ。

6月にはローエングリンもあるそうで、これも非常に楽しみ。