孤独のグルメ

久住昌之(原作)、谷口ジロー(作画)『孤独のグルメ』、扶桑社文庫、2000

これはちょっと人にもらって読んだ見たのだが、おもしろい。主人公は酒の飲めないサラリーマンで、空腹の状態でフラフラといろんな店(そんなに有名な店はなく、主にご近所さん用)に入ってガツガツ食事をするという、まあそれだけのマンガ。しかし、ここで出てくる食事はどれもほんとうにうまそうだ。

各話のタイトルには店の名前は出ておらず、「京浜工業自体を経て川崎セメント通りの焼き肉」というような表記。店名はマンガをよく読んでいればどこかに書いてあるのでそうとわかる。言った時点で潰れてしまった店のエピソードも出ていて、だいたいこういう店は転変が激しいから、それも納得。この本は文庫化されたのが2000年だが、2007年で22刷となっている。それだけ読まれているのだ。ほとんどは東京とその近郊のお店なので、今度東京に行ったときには必ず1軒は行ってみるようにしよう。

最後に久住昌之が長いあとがきを書いているが、これはやや蛇足。このマンガは今度ドラマ化されるらしい。そのへんのお店の普通の食事という線から、あまり外れないようにつくってほしいな。