抱きしめたい!近代日本の木彫展

「抱きしめたい!近代日本の木彫展」、広島県立美術館

明日までやっている展覧会。これも明日は行けないので無理やり行くことに。まあ大して混んでいるわけでもないので別に問題はない。

最初に竹内久一の金剛様がどーんとおいてある。高村光雲平櫛田中、圓鍔勝三といった人々の作品がおいてあり、それが戦後ゾーンにいくといきなり抽象物がゴロゴロおいてあって、最後は舟越桂でおわり。

途中抜けはけっこうあるのだろうが、木彫作家の主な人々をだいたい揃えられたのはえらいと思う。全体のスペースが小さいこともあって、一人あたり2点くらいしか置いていないところがおしいといえばおしいのだが。

ちょっとだけ図録に目を通してみると、仏像はやりなので、国宝級の仏像が出る展覧会は非常に人気が高いそうだ。しかし借り賃やら、梱包、輸送にお金と手間がかかって、美術館としてはそれほどけっこうな話でもないとのこと。そして仏像ではなくて近現代の木彫作品となると、とたんにお客は少なくなり、作品を集めるのも大変、スポンサーを募るのも大変になるという話。この展覧会は、もともと広島で圓鍔勝三の回顧展を考えていたものを、規模を拡大して3つの美術館を回る合同展になって、こういう企画になったらしい。やはりいろいろとたいへんなのだ。

展覧会とは別なのだが、出口のミュージアムショップでは広島ご近所の木彫、漆芸の作品が売られていて、その中にどうしても欲しくなったものがあって、買ってしまった。8000円くらいの作品なので、ちょっと逡巡してえいっと買っちゃったのだが、木の椀の内側に赤色の強い漆が微妙な模様になっていて、これでお茶を飲むのが非常にたのしみ。作家は都野夏未という人で、市立大学の修士課程にいる人だそうだ。ちょっとよい買い物ができて、とても満足。