第七女子会彷徨 3巻

つばな『第七女子会彷徨』3巻、徳間書店、2011

これ、もう4巻が出ているのだが、図書館で予約したらほとんど順番待ちがなかった。ラッキーだ。しかし4巻を読む前に3巻を読まねば。ということで3巻。

冒頭の22話「高木さんの日曜日」がいちばん好きかな。高木さん、いきなり猛毒を飲んで死にそうに・・・。しかしそこへ高木さんの父親が、「残存君太郎」という新発明をもってやってくる。まあ音だけタイムマシン。10分前までさかのぼって、過去の音を再生できるという機械。そこにさりげなく引越ばかりで友達ができなかった高木さんのさびしさが縫い込まれている。最後に、冒頭の猛毒ネタが戻ってくるところもよし。

25話「(警告!)」も佳作。高木さんのリニューアルされた机の上のへんな棒は何?これが「深層心理 夢チップ」で、深層心理をのぞき見られるというネタにひっかけてある。このマンガ、全体が夢の中みたいなのだが、何が夢なのかがけっきょくよくわからない。そこがいい。

28話 「冬のまぼろし」。高木さんは「なりきり体温装置」を使って、真夏なのに今は冬だと思い込む。しかしいくら夏が暑いからって、自分の頭の中が冬では、寒いだけでいいことなし。ていうか体温調節ができなくて死ぬよ、これ。

30話 「ジプシーキングス」。高木さんの生い立ち、父親が転勤つづきでぜんぜん友達ができなかった人生が語られる。言ってみれば、このマンガが始まる前のおはなし。これがちょっと泣けてなんとも味わい深い。

あとがきも非常にいい味が出まくっている。しかも探してみたら、4巻には「限定版 ふろく」がついていたという事実を発見。アマゾンマーケットプレイスには出ていたから、買うかなあ。このマンガはもっていてもいいなあ。