カーネーション 19-24話

カーネーション」19-24話 第3週「誇り」

今週のカーネーション、途中見られなかった日がけっこうあって後でまとめて見たが、これがこれでおもしろい。ちゃんと次の回にいくためにおはなしをもりあげたところで終わっているのだが、通して見ると、「あー、次はどうなるんだろう」と思わなくても済むので精神衛生によいのだ。

前週の最後にいきなりパッチ屋からクビを申し渡された尾野真千子。不況の人員整理でまず女が切られたのだ。仕事がみつからないでいるうちに、電気屋にミシンの実演販売がやってくる。実演をしているのは東京から来た洋裁の先生=財前直見尾野真千子は、財前直見にミシンを教えてくれるように頼み込み、翌日心斎橋でのミシン教室に出かけていくが、教室はミシン購入者のためのもので、ミシンをさわったことのない初心者が対象。明らかに尾野真千子には合っていない。直接洋裁を教えて欲しいと頼み込むが、それはムリだと断られる。

心斎橋からの帰りに祖母の十朱幸代と出くわし、ミシンを買ってくれるという願ってもない話を持ち出されるが、父親の小林薫が許してくれるかどうかわからない。案の定小林薫はカンカンになってはねつけるが、後でパッチ屋のトミーズ雅から娘の働きぶりを聞かされて考えが変わる。今度は小林薫自身が、財前直見に娘にミシンを教えてくれるように頼みに行く。

財前直見は心斎橋の教室が終わってから東京に戻る前の一週間だけ、小林薫に謡を教わるのと交換で尾野真千子にミシンを教えてくれることになる。ようやく基礎だけは教わるが、財前直見が帰ってしまうと、小原家に洋服の注文をしにくる客はいない。しかし東京のデパートの火事が新聞記事になったのを見て、尾野真千子はいきなりひらめいた、ところでおしまい。

先週までに、小林薫がしょっちゅう謡をうなっていたのがここで生きてきた。いちいち伏線を張るのがうまいのだ。ミシンを教えるところも、細かいことはみな省略して、「洋服を着て町を堂々と歩くことの誇りをもて」というのを強調しているのも、いいと思う。ミシンの縫い方をドラマの中で説明されたら、視聴者はおそらくとまどうばかり。

財前直見はさっそうとしていてかっこいい。ちょっと古い洋装がよく似合っている。尾野真千子もこの週から洋装するようになるが、これもキレイだ。尾野真千子がだんだん大人になっていくので、それがはっきり芝居に出ている。細かい所作や表情がいちいちうまくて、尾野真千子を見ているだけでたのしい。