買おうかどうか

岸本葉子『買おうかどうか』、双葉社、2009

こちらは岸本葉子の比較的新しいエッセイ。内容はタイトル通り、買い物についての顛末記。こっちはいつものとおりのどうでもいい内容だ・・・。非常に簡単に読めるのでいいですが。

びっくりするのは、岸本女史は当然パソコンで仕事をしているのだが、まったくコンピュータの知識がなく、2007年になってもまだWindows98を使っていたというおはなし。データ移行もフロッピーディスクでやろうとして失敗し(そりゃそうだ)、結局業者に家まで来てもらったとのこと。

仕事で使っているなら、バックアップを取るとか、機械が壊れたらどうするかとか考えないのか、ふつうは。岸本女史の知識欲は、こっち方面にはまったく向いていないようだが、データは無事だったようでなにより。

あとは、シュレッダー代わりのはさみ(女史はプライバシーに関係するすべての書類は、ちゃんと読めないように処理してゴミ出ししているとのこと)、茶こし一体型ポット、チップスメーカー、ハンドル付きぬか漬け器などなど、かなりどうでもいいもの。100均で買って下さいよ、そんなの。

昔のエッセイを読んだあとでは、この水のように読後感のないエッセイはなんだかなあと思うが、大病から回復されてご健康に毎日を過ごしておられるのだからなによりか。読者としてはそれでいいのかね。