カーネーション 13-18話

カーネーション」13-18話、第三週「熱い思い」、NHK、2011.10.17-22

カーネーション」、今週もおもしろかった。先週、トミーズ雅のパッチ屋に弟子入りすることになった糸子だが、いままでお客としてやさしくされていたのとは大違いで、仕事はきつく雑用ばかり。しかも容赦なくどなられる。昔のドラマ「おしん」に比べたらそれでもどうということはないが、糸子がパッチ屋でミシンを触るのをたのしみにしていたのを見ていただけにつらい。

それでも辛いながら働いていると、トミーズ雅が「ミシンが遊んでいる夜なら、ミシンを触ってもいい」と言い出す。これもパッチ屋の先輩が練習した後でようやく使わせてもらえるので、ミシンに触れるのは夜も遅くなってからだ。そうして糸子が苦労しているところに、紡績会社を経営する大富豪の祖父=宝田明が車を乗り付けてくる。糸子を大阪のパーラーへ連れて行き、欲しい物をなんでも注文させて、自分の会社ならミシンはたくさん使っているので来ればどうかと誘う。しかし糸子は「この厳しい店で働くことが自分のためになる」と言って断る。宝田明は、「あのアホな両親から生まれたおまえが、なんでそんなにエライことを」と涙する。糸子は「おじいちゃんに似た」というので、宝田明はまた涙。

大工屋の泰蔵が結婚し、妻としてやってきたのが田丸麻紀。糸子に、婦人雑誌を見せてくれたりして、いろいろと後押ししてくれる。田丸麻紀のすすめで、糸子は父親に洋服を縫ってプレゼントすることにする。しかしパッチばかり縫っていた糸子には洋服の裁ち方や縫い方がわからないので、アッパッパをちょっと変えてつくってみた。父親に持っていくと、にべもなく「ほかしとけ」と一蹴される。しかし、それを店先に並べておいたところが、客が喜んで買っていった。善作は糸子に二日に一着ずつアッパッパを縫うように言うのでした。


今週、かなりよかったのが、宝田明尾野真千子のパーラーでの場面。注文しているお菓子は、今とそんなに変わらないが、昭和初期にはたいへんな高級品だったはず。尾野真千子が祖父の厚遇の申し出を断り、それに宝田明が心を動かされるところは、こちらも泣ける。宝田明も大富豪なのに、それをパッチ屋で振り回したりしないところもよいと思う。

一週間でひとまとまりだが、毎日新しい展開があり、一日も見逃せない。15分の中によくここまでアップダウンの激しい話を持ってこられると思う。やはり脚本の渡辺あやは天才。