アーキウォーク広島 基町アパート 基町高校

「アーキウォーク広島」 「基町高層アパート」「基町高校」、2011.10.8

広島市内の建築物の公開観覧イベントがあったので行ってきた。「基町高層アパート」と「基町高校」の二つ。アパートのほうは定員いっぱいになっていた。他にも、「宮島」「草津町並み」「世界平和祈念聖堂(幟町教会)」「建築家のアトリエ」のプログラムは満員。けっこう人気のあるイベントだったようだ。

基町アパートは、1972年頃から1978年までに建てられたもの。設計は大高正人。ここはいつも前を通るだけで、「平和湯」以外の施設に入ったことがないのだが、商店の配置、屋上にある集会場、1階のピロティー構造ほか、いろんな工夫がしてあっておもしろかった。高層アパートなのでエレベータがあるのだが、各階に止まるのではなく、階と階の間にしかとまらない。お金がなかったということだが、ここは老人が多くなっているので、住民には不便だろう。

見どころは屋上。いつもは施錠されていて、住民しかカギをもっていないのを開けてもらっているのだが、小さい園芸スペースになっていて、住民がいろんな植物を植えている。また、屋上は建物ごとに高さが違っていて、階段状にスペースがつながっているところもおもしろい。景観は、町全体を見渡せるものでとても気持ちいい。ここから見ると、市内でこれより高い建物は、NTTクレド、アーバンビューグランドタワー、市役所別棟、NHKくらいしかなく、つまり全部が1990年代以後にできた建物なので、それまではこのアパートが市内で一番高い建物だったようだ。住民にとっては気持ちよかっただろう。

もとの原爆スラムや、護岸の工夫も説明してもらって、これもおもしろかった。近々取り壊される予定の低層の市営住宅はむかしなつかしいスターハウス。これも上から見るとかわいい。

基町高校は2000年にできた新しい建築で、設計は原広司京都駅ビルの設計者。この建物も教室を上の階に持っていって、エスカレータで上っていったり、建物を屋根のない渡り廊下でつないでいたり、美術教室(この高校は美術コースが普通科とは別にある)が広く取ってあったり、とてもおもしろい。校長先生と教頭先生がわざわざ説明してくださったが、かなりご自慢の建物のようだった。学校はこういう機会がないと入れないので、これもラッキーな機会があってよかった。

明日も引き続いてイベント。こちらもたのしみだ。