親鸞展

親鸞展」、福屋八丁堀店

全国のデパートや美術館を巡回している親鸞展。ここでは西本願寺の別院が後援についているが、展覧会の内容をみるかぎりは、あまり宗派に関係なく、どこからも展示品を集めているようす。内容は、親鸞の生涯を年をおって、たどっていくというもの。叡山での修行から、法難、関東での布教、帰京後の活動のそれそれに展示品がついていて親鸞の事跡を追体験することになっている。

全国巡回(30カ所以上まわるとのこと)で、規模も小さいということもあってか、ほとんどの展示品は実物ではなく複製品や複製をパネルにしたもの。なので、以前京都市美術館でやっていたような「全部本物です」というインパクトはないのだが、人が多いのにおどろいた。

平日の夕方に行ったのだが、狭い会場ながらわしわしと人がつめかけていた。この展覧会は地元の新聞社が主催者になっているので、展覧会の内容を紹介する広告ページが出口の売店にあったのだが、これを見ると黒山の人だかり。ここは熱心な門徒が多いところなので、おどろくようなことではないが、そんなに信仰心があついのかとあらためて感心した。来ていた人はまあ中年以上の人が多かったが、比較的若い人もちらほら。東本願寺で行われている節をつけて体を振るように行う勤行のビデオをみな熱心に見ていた。えらいなあ。

出口を出たところの物販コーナーには食べ物や本などいろいろおいてあったのだが、目的は海洋堂製作の「親鸞像」フィギュア。一体3150円。親鸞のいろいろな画像や彫像を参考にして、この展覧会用に作られたグッズで展覧会場でしか売っていないというもの。展覧会場には現代の作家が描いた画像も展示してあったのだが、それらが表情をやさしく描いているのに対して、このフィギュアは昔の彫像に忠実に、きつい顔に造型されているところがよいのである。自分は門徒じゃないので信仰対象ではないのだが、身の回りの目立つところにおいておくつもり。