ワシントン・ナショナルギャラリー展

「ワシントン・ナショナルギャラリー展」、国立新美術館

国立新美術館で9月のはじめまでやっている展覧会がこれ。内容は印象派からポスト印象派までなので、よく混んでいた。たくさんあったのは、マネ、モネ、ドガルノワール、カサット、セザンヌ等々。それ以外にもいろいろあったので、この時期の主要な画家はひととおり揃っていた。版画も25点くらいあり、全部で80点あまり。これだけでもていねいに見ていたら時間とエネルギーを使うので、このくらいでいいわ。そんなに混み混みというわけでもなかったが、けっこう人はいたし。

音声ガイドを借りていたのだが、「???」と思ったのは、アンジェラ・アキが「この展覧会のテーマソング」なるものを歌っていて、それが入っていたこと。展覧会のテーマソングって、意味がわからない。当然だけど展覧会場で音楽がかかるわけはないので、音声ガイドを借りた人が聞くか、出口で売っているCDを買った人(そんな人いるのか?)が聞くか、そんなところ。だいたい歌は展覧会の絵になんにも関係ないし。アンジェラ・アキは、ジョージワシントン大学卒業なので、この美術館に行ったことくらいはあるだろうが、それだけで曲つくるかね。ふしぎだ。

最後の方にゴッホがかかっており、自画像は晩年、自殺の1年前くらいに描かれたもので、まるで狼みたいな表情。顔は右を向いているので、切ってしまった耳の傷跡は描かれていない。もうひとつ、これもゴッホ晩年の花瓶にかざられたバラの絵があった。全体が緑っぽい色調の中に白いバラが置かれた変な絵だが、描かれた当時は赤色がかなり入っていたのが経年変化で色が落ちてしまったらしい。なんともいえない変な絵。この2点だけでも(もちろん、他の絵もよいものだらけだが)、行く価値はあると思う。