凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展

「凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展」、INAXギャラリー

車、バイクのモデラーによる作品展。モデラーといっても、スクラッチで作っている人たちで、その技術と手間たるやたいへんなもの。車も外形だけではなく、シャーシとエンジンだけ、とか、エンジンが見える状態のものをつくっている。まずわからないのは、メーカーから図面をもらっているわけでもない人が、どうやってシャーシのモデルを作れるのかということ。とにかく徹底的に実車を取材することが作業のなかでもっとも重要で、写真は1台つくるのに300枚とか400枚撮影すると書いてある。それにしても、シャーシの写真なんてどうやって撮るのか。作っているのはブガッティ、フェラーリドゥカティみたいな名車、旧車ばかりだが。

出品しているのはアマチュアが5人、プロが3人。プロの作品は参考出品。アマチュアは1台つくるのに、1年くらいかけると書いてある。ネジ1本までスクラッチ。既存のモデルをいじっている人もいるがその場合も、エンジンなどはやはりスクラッチ。仕事をリタイアした人もいるが自動車会社の技術者もいる。

プロモデラーは3人。イギリスのウィングローブ、オーストラリアのブルックマン、日本の酒井文雄。こっちもパーツはネジ留めされていて分解もできるというもの。アマチュアと違って、時間その他のコストを無制限にかけられるわけではないので、こちらもたいへん。

部品や図面、モデル製作の道具も展示されていて、製作の過程もある程度わかるようになっている。モデラーというのはここまでやるのかと思うとめまいがしそう。とりあえず自分は、日曜日の少しの時間を模型製作にあてるだけで手いっぱい。