平櫛田中展

平櫛田中展」、ひろしま美術館

明日(きょう)の日曜日までやっている展覧会。平櫛田中だから、どうせ美術館井原市の田中美術館の作品をまとめて並べてあるのだろうと思っていたが、田中美術館の所蔵品は三分の一もないくらいで、残りはシーピー化成株式会社という会社の所蔵品。なんでそんな会社が田中の作品を持っているのかと思ったら、井原市の会社だったのでなっとく。

比較的若い頃(それでも40歳)の作品から、晩年のものまでまんべんなく展示されていた。「鏡獅子」は晩年に作った自作のコピーがちょこんと置かれていた。カタログをみると、晩年に近くなると、以前作った作品を縮小したサイズで何度も作り直しているのがわかる。

彫刻だけでなく、書もけっこうおいてあり、有名な「いまやらねばいつできる わしがやらねばだれがやる」をはじめ、100歳になってからの「60、70ははなたれ小僧、男ざかりは百から百から」もあった。田中は口でいうだけではなく、実際に晩年まで制作していたのだから、ただ頭がさがるばかり。

「活人箭」がおいてあってうれしかったが、シーピー化成の所蔵品は見たことがないものが多かったので、行ってみてとてもよかった。それにしても「いまやらねばいつできる」というのは、心に痛い。

いつかは小平市平櫛田中彫刻美術館にも行く機会があるといいな。