サイモン・スターリング 仮面劇のためのプロジェクト(ヒロシマ)

サイモン・スターリング 仮面劇のためのプロジェクト(ヒロシマ)」、広島市現代美術館

これは日曜日までやっていた展覧会。あいかわらずぐずぐずしていて、最終日になってしまった。

展示されている作品は6つだけでとても少ないのだが、大作が多いのでそれはまあいい。

中心になっているのは、展覧会のタイトルにもなっている「仮面劇のためのプロジェクト(ヒロシマ)」という作品。この展覧会のためにつくられた新作である。

これは能面(古典的な能面ではないのだが、能面のテクニックでつくったもの)と、その製作ドキュメントビデオ、写真の組み合わせでできている。能の演目「烏帽子折」での牛若丸と盗賊達の話から題材をとり、その人物を、ヘンリー・ムーア作「アトムピース」という彫刻と重ね合わせて、核開発のプロセスと烏帽子折のストーリーを組み合わせたような台詞を、能面をつけている人物が映像の中で話している、というもの。映像は約25分ほどあったが、時間の都合で全部は見られなかった。

展覧会場入り口で、「鑑賞の手引き」をくれて、それにそれぞれの作品の簡単な解説が書いてある。もちろん展示品の横にも解説の書かれた板が張ってある。しかし、この作品は簡単な解説では理解できないような種類のもの。「烏帽子折」のストーリーと、核開発の歴史、ムーアの彫刻が作られた背景について十分知っていないとこの作品はたのしめない。

展覧会の初めの時期に作家本人が来ていたらしいが、少なくとも学芸員トークがある日に見にいかなければいけないような種類の展覧会。ウェブで調べておけばよかった。大失敗だった。

ちょうどサクラの季節なので、外はお花見している人でいっぱい。ビールや焼肉セットを売っているお店も立っていたりしてにぎやかだった。こんなことだったら、まんが図書館に行っておけばよかった・・・。