モネとジヴェルニーの画家たち

「モネとジヴェルニーの画家たち」、Bunkamura ザ・ミュージアム

これはBunkamuraでやっていた、モネとモネの周辺にいた主にアメリカ人の画家たちの展覧会。モネがジヴェルニーにひきこもってから後、モネの周りに一番多く集まっていたのがアメリカ人だったので、モネの義理の娘のブランシュや、その周辺で「アメリ印象派」を形成していた人の絵がいろいろと並べてある。

こうして並べられていると、モネの周辺にいた画家とモネ本人のどこが違うかがなるほど、よくわかるようになっている。積藁にしても、アメリカ人の積藁が輪郭のはっきりした、ものっぽい積藁なのに対して、モネの積藁は、かげろうのようにぼんやりしていて、まわりの空気を映し出すためのスクリーンのようだ。

モネが光と空気を画面に定着させるのにどれほど心をくだいたかがよくわかる展覧会。一方、モネの周囲にいた人たちの絵も、もとになった風景の写真と絵が対比されるように並べられていて、その描き方はおもしろい。

いまのジヴェルニーの庭の写真がたくさん並べられていて、これもこころがなごむ。晩年のモネの、もはや形が何かもはっきりしなくなったような絵がおいてあったが、もはや花と空気がひとつになって分けられないような境地のようだ。フランスにいくことがあれば、ここはいちばんに行きたいところのひとつ。