東大寺大仏―天平の至宝―

東大寺大仏―天平の至宝―」、東京国立博物館

こちらは東京国立博物館の展示。まあ東大寺大仏といっても大仏を持ってこられるわけがないので、このタイトルはかなんだかなあという感じ。銅製の八角灯籠を運んできただけでもたいしたものだといえば、そうなのだが…。

多くはは地面を掘って発掘された瓦とか、経典とか、そういうものなので、美術展示というよりは考古展示という感じ。それでも南都焼討での焼け残りの跡がはっきり残った経典とか、歴史を感じる。音声ガイドでは、建立当時の伎楽を流していて、これはめずらしいものが聴けてよかった。いまの雅楽とはだいぶ違った感じ。楽器も違っているので、当然そういうことになるのだが。

大仏は、CGで作ったものを流していた。光背を外した背中が見られるのはこれだけですよ、という話だが、それだったら東大寺に行って本物を見たほうがいいし。重源上人像とか、伎楽面とかはおもしろかったが、不空羂索観音は光背だけですか。東博を使って大々的に展示をやるんだから、もうちょっといろいろ持ってきてもらわないと物足りない。これだったら、東大寺に行ったほうがいろいろ見られるのだからずっといい。

しかし、展示会場を出たあと、グッズ売り場で海洋堂製作の「月光菩薩像」を見つけ、かなり迷った末、買ってしまった。まあ3500円だし、適度に小さいからいいか。本当はこの像を持ってきて見せてほしかったのに。展示会場の外では、展覧会の図録を買った人に、東大寺の執事長やら、お坊さんがおことばを書いてくれていたが、そんなことより、説法のひとつでもしてくださいよ!