野田ともうします 1-2

柘植文『野田ともうします』1-2、講談社、2009-10

これは何で知ったかというと、先月の書評家の講演会でこのマンガが「絶対おもしろいです」と紹介されていたのである。図書館に頼んだら、案の定順番が回ってくるのにやたらと時間が・・・。これ、ワンセグ用のテレビドラマになっていたりして、すでに有名だったんですね。

主人公の「野田さん」がなんともいえない味をかもしだしているのだが、やたら本を読みまくっているくせになぜかはずみで埼玉にあるFラン大学の「ロシア文学科」(Fラン大にそんなものないって)に入ってしまう。この野田さんの行動、言動のひとつひとつが非常にしぶい。作者の本好きがうかがわれて好ましい。

まわりのサブキャラたちも、ひとりひとりが「おこめの粒が立った」人ばかりですばらしい。わたしのお気に入りは、大金持ちで鉄の胃袋を持つ女、重松さん。とにかくこのへんなテイストがどこから出てくるのか、作者の頭の中ははかりしれない深さがあるような。この人のマンガはとりあえず全部読むことに決定。

って、ちょっと調べたら作者はYahoo!ブログをやっていた。世の中狭いわ。
http://blogs.yahoo.co.jp/siikoke