ヴィンランド・サガ 1-5巻

幸村誠ヴィンランド・サガ』1-5巻、講談社、2006-2007

なんでこのマンガを読んでいるかと言えば、「文化庁メディア芸術祭 京都展」に9月頃たまたま行ったところ、展示物の内容が去年のマンガ部門大賞をとったこの作品の原画展だったからである。もちろんその時点では読んでいないので、原画だけ見ても「ヴァイキングのマンガ」という以外は何もわからないのだが、会場にマンガが9巻まで置いてあったので1巻だけ読んでみた。

あっという間に作品世界に引き込まれてこの先も読みたかったのだが、時間がないので1巻だけ読んで早々に撤退。残りは図書館で借りて読めばいいやと思っていた。で、図書館で予約を入れたら、5巻までをセットで予約して借りられるまで2ヶ月以上かかった。どこかのバカが2巻だけをずーっと返さないのである。9巻まで出ているのに5巻までしか予約を入れなかったのは、図書館で一度に借りられるのが5冊までだから。こんなことだったら、さっさとマンガ喫茶に行けばよかった・・・。

ちょうどバタバタと忙しい時期に貸し出し可能になったのだが、ついつい昧読してしまった。11世紀の北海沿岸とバイキングなんて、高校の教科書でやって以来ぜんぜん触れていないのだが、そんな程度のことは全く障害にならず、物語にぐいぐい引き込んでくる。主役のトルフィンの謎めいたところもいいのだが、ほかの登場人物、アシェラッド、トールズ、トルケルらの戦士のキャラがはっきり立っていて、ひとりひとりが非常に魅力的。

決闘、奴隷、王と貴族、戦士団の指揮官と部下の関係、キリスト教と北欧の土着信仰など、中世のバイキング社会の描写が精密。この部分でもう心をわしづかみにされている。ヨーロッパ中世はおもしろい。もうちょっとヒマになったらこの頃の概説書を何冊か読みたいなあ。

しかし今のところ、出ている9巻のうち半分しか読めていないのである。アシェラッドの部隊がクヌートを連れてデーン領に逃げている途中、トールズの部隊に捕まるまで。なんとしてもこの先が読みたい。あと3週間は禁欲しないといけないのだが、がまんできないよ・・・。罪作りなマンガだ。