ネイチャー・センス展 森美術館

「ネイチャー・センス展: 吉岡徳仁、篠田太郎、栗林 隆」、森美術館

いつも思うのだが、六本木ヒルズの展望台に登ろうと思ったら、森美術館のチケットを抱き合わせで買わされるっていったいどういうこと?森ビル的にはこういう商売はありなのか?まあ逆にこれぞ森ビル商法ともいえるけど・・・。

で、展望台のついでにいってきたこの展覧会だが、まあまあおもしろかった。趣旨は、日本の自然を、人為と対置するのではなくて人間の世界に入り込んでいるものとして美術的に再構成してみましょうよというもの。

最初の吉岡徳仁は、大きなアクリルの箱みたいなスペースに真っ白な羽毛をしきつめて、それを扇風機でときどきかき混ぜてやると雪がしんしんと降っているように見える、というもの。遠目にはけっこう雪っぽくて涼しげ。とはいえ、扇風機でかき回すところで現実に引き戻されてしまうところがちょっと・・・。

篠田太郎は、大きなミルク色の液体が入ったプールの上に、液体の入ったビンがたくさんぶらさがっていて、そこからいっせいに液が落ちてきてプールに波紋を描くというもの。他に血のような赤い液体がボタボタ流れてきたり、液体好きの人のようだ。血の池?は気色悪かった。ミルク色プールはほんとにミルクっぽい香りがした。

栗林隆は、和紙のような素材の上に雪の降った森のような風景がつくってあって、ところどころ穴が開けてあり、客はその穴から頭を出して森を眺めるというもの。頭を出すとほかの穴から別の客の頭がのぞいているところが小動物みたいでちょっとアホっぽく、おもしろい。

もちろん館内はガンガン冷房がきいているのだが、展示物もなにか涼しそうな(ちょっと寒そうな)ものがほとんどで涼しさを感じられたのはよかった。出口にこの展覧会のための図書室があったので、時間があればちょっと読んでみたかったのが心残り。