誕生! 中国文明  東京国立博物館

「誕生!中国文明」、東京国立博物館

東博で9月5日までやっている展示。タイトル通り、基本的には考古展示。河南省の博物館から展示品を借りてきている。河南省には洛陽ほか、夏王朝から北宋王朝まで、断続的に諸王朝の首都がおかれていたので、それに関連する遺物をいろいろ並べて見せましょうという企画。

時代が下るほど多いんじゃないの?と心配していたが、そんなことはなく、夏、商(殷)、西周あたりまでの展示品が一番多く、その後春秋戦国、前漢くらいまでがほとんど、唐宋時代の展示品はほとんどない。まあ、新しいのはほかにいくらでも置いているのでここで見なくてもいいのである。

といっても、鼎とか玉とか、鉞、戈、刀とかはほとんど祭器で、青銅器はだいたい錆びているので玉を除けば、元の姿は想像するしかない。まあしょうがないか。「金縷玉衣」(死者に着せる玉の板を編んだ衣)は、前に同じようなものを見ていたが、やっぱりおもしろい。いまのロボットものに通じるところがある。

あとは、後漢時代になるが、「七層楼閣」という宮殿の模型が目を引いた。石づくりだが、ほとんどプラモデルのノリである。6階部分に人形がおかれていて、この人の宮殿だったのかもしれない。二つの建物が空中を渡り廊下でつないであって、昔から人の考えることは変わらないねという感じ。

地味な展覧会なのでけっこうすいていた。まあ時期があえば、新国立美術館のオルセー展にはいきたかったけど…。