日本国債 改訂最新版

幸田真音『『日本国債』改訂最新版、上下、講談社文庫、2003

いまさらという感じの本だが、図書館の書棚を眺めていて目に止まり、ちょっと勉強になるかなと思って読んでみた。ミステリーとしての出来は、そこそこだと思う。しかし後半の方は展開が強引で、オチもちょっと・・・。

肝心の「国債未達による市場ショック」の説得力については、この分野に暗いのでなんともいえない。しかし、「基本的な筋立てにムリがある」「登場人物の行動の細部にリアリティを感じない」という評価が
けっこうあるようなので、これでわかったつもりになってはいけないようだ。それに、国債市場の暴落
というテーマを財政問題にほとんど触れずに取り上げるというのはどうかなあ。

国債市場の特殊性ということに関心を向けさせてくれた点については、読んでよかった。しかし、勉強しようというのであれば、やはりちゃんとした経済書にあたらなければダメだということらしい。