だめ連の働かないで生きるには

神長恒一ペペ長谷川『だめ連の働かないで生きるには』、筑摩書房、2000

懐かしいだめ連の本。著者二人が書いている部分と、ゲストを呼んで対談している部分が交互に並んでいる。ゲストはけっこう豪華で、鶴見済宮崎学伊藤比呂美などなど。鶴見済は、対談に4時間遅刻してきたらしい。さすが大物は違うわ。

対談ではやっぱり鶴見のものがいちばんおもしろい。本人がかなりぶっとんでいるので、これは貫禄勝ち。無職、犯罪者(覚醒剤で逮捕、執行猶予中)、精神病その他、ちゃんとアイテムもそろっている。何より話がおもしろい。

ほかの内容は、だいたいが人生をどうやってだめに生きるかということについての、皆様によるためになるおはなし。特に女の人の登場者は、皆子供がいる人ばかりで、これでよくやってるなーと感心すること多し。やはり子供を抱えていると単身生活と違ってそれなりに大変なことは多いらしい。

読んでいると「社会が悪い」という左翼志向がけっこう強いのが目に付く。ゲリラ的な労働運動ともけっこうつながっているらしい。このあたりが、「だめ連」の時代を感じさせる。といっても、積極的に社会変革というところまでのエネルギーはないところがこの人たちのご愛敬。

だめ連も最近話を聞かないがどうしているのだろうか。「ニート」があたりまえになるようなご時世に、わざわざ「だめ」を組織化する必要もなくなっているのかもしれない。もっとも、著者のうち長谷川氏は、まだ元気で生活されているという話をネットで見たが・・・。お元気で過ごされていることを願うばかり。