鉄道趣味がわかる本

いのうえ・こーいち『鉄道趣味がわかる本』、枻出版社、2008

鉄道ファンの著者が、鉄道ファンではない人に、この趣味の世界がどういうものかを説明する本。

最初に豊岡真澄と著者が「北斗星」で札幌まで旅する旅行記豊岡真澄、そういえばいました。この本が出たときはまだ引退してなかったのか。

それから、鉄道趣味がジャンル分けされて、ひととおりの説明がされている。この本の後の部分を読んでいくとわかるが、著者自身がかなり広く鉄道趣味をカバーしているので、模型、撮影、廃線探索みたいなところでもていねいに説明されている。それに写真が多い!昔の鉄オタは、一人で何でもやっていたのか、と感心する。

この後がこの本の一番おいしいところだが、世界各国のいろんな鉄道、特に蒸気機関車が走っているマイナーな鉄道(炭坑鉄道とか)を訪ねて著者が旅を重ねる記録。インドやスペイン、ポルトガルを鉄道に乗るためにせっせと訪ねていくところには、趣味の人の熱い執念を感じる。当然写真は多く、インドの街中を走る小さな蒸気機関車がかわいい。鉄道ファン用に、こういう普通はめったに行けないところの鉄道にのるためのパックツアーがあるらしい。いってみたいが、おかねと時間が・・・。

最後は鉄道博物館のようすがこまかく紹介されていて、まだ行っていないわたしにはこれも楽しめた。鉄道趣味の人は気合いの入り方が違うなー、と思う。自分は住んでいるところの周りを走っている小さいローカル線や路面電車に乗っているくらいが関の山だが・・・。