ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死」、R.シュトラウス 「組曲ばらの騎士」

ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」

   セミョーン・ビシュコフ指揮

R.シュトラウス 「組曲ばらの騎士

   尾高忠明指揮

   NHK交響楽団、「N響アワー」、2010.4.25

昨日のN響アワーワーグナーリヒャルト・シュトラウスの紹介を兼ねた番組で、曲を流す前に、二人の年譜と主要作品について簡単な紹介があった。

ワーグナーの方は、けっこういい演奏。ビシュコフの音楽はトロトロと溶けてちょうどいい感じ。R.シュトラウスの方は、まあふつうか。というか「ばらの騎士」は全曲を聴いたことがないので、演奏会用組曲だけ聴いてもよくわからないのである。

で、カプリッチョのコーナーは、「オペラ作曲家の”打率”」。オペラ作曲家の作品の中でも歴史に名前が残っていまでも演奏されている作品はほんの少ししかないから、そういう「ヒット」と数えられる作品をオペラ作品のうち何曲書いたかを作曲家ごとに、西村先生独自の判定で示すというもの。

第一位はベートーヴェンで、オペラは1曲しか書いてなくてそれが当たったから10割だというおはなし。第二位以下は、ワーグナープッチーニR.シュトラウスヴェルディモーツァルト、ベルリーニ、チャイコフスキー、チレーア、レオンカヴァルロ、ビゼーウェーバーロッシーニ、ポンキエルリ、ジョルダーノ、マスカーニ、ドニゼッティと続く。

しかし、こういうことを言うのであれば「打率」で順位をつけるのはおかしくないか?書いたオペラのうちで何曲が傑作かということは、聴き手にとってはたいした問題ではなく、「何曲」傑作を書いたか、あるいは「どのくらい」傑作か、ということのほうがはるかに問題のはず。

だいたい野球でも打率をそんなに重視するのは変だ。打点の方がより重要なはずだろう。

ベートーヴェンは「フィデリオ」は傑作だが、それしかオペラは書いていないのだから、オペラ作曲家として一番エライということにはならないはず。やっぱり少なくとも「打点」で数えないとおかしい。

西村先生のカウントでいけば、「打点」第一位はヴェルディ(13作)、以下、ワーグナー(10作)、プッチーニ(8作)、R.シュトラウス(8作)、モーツァルト(7作)、ロッシーニ(4作)、ドニゼッティ(4作)・・・となる。まあ順当なところだと思う。