ひとりぐらしも9年め

たかぎなおこ『ひとりぐらしも9年め』、メディアファクトリー、2009

図書館で本を予約していると、本によっては順番が回ってくるのに非常に時間がかかることがある。これもその一冊で、予約してから届くまでに半年くらいかかった。おかげで、届いた頃には、どういう理由でこの本を読みたいと思ったのか、さっぱりわからなくなってしまうのである。これもおそらく、どこかで書評を読んで借りる気になったはずなのだが・・・。

内容はコミックエッセイで、著者(1974年生まれ、イラストレーター)の日常生活をつづったもの。前作に「ひとりぐらしも5年め」があるようなので、そちらもそれなりに売れたということなのだろう。

読んでいて思うことは、とにかく著者はまめ!自炊はめずらしくないが、ちゃんとだしをとって、きちんとつくっている。道具を買ってきて、簡単な木工もやっている。植物を育てたり、ミニビオトープをやったり(これはあまり成功してないらしいけど)、日常生活を充実させるための手仕事をちゃんとやっているのだ。

しかも物持ちがいい。14型のテレビデオをまだ使っていたり、FAXや扇風機も昔のモノをガタがきてもずっと使っている。PCはないのか?このご時世にマンガ家やイラストレーターでPC使ってないことはないだろうと思うが・・・。

自分の生活を引き比べると反省しか出てこない。考えてみると、自分の身の回りのもので愛着のあるものはほとんどない。本はべつだが、古書収集家というわけではないので個別の本を絶対に捨てたくないということはないし、たまっていくDVDもどこかにレンタルされていれば、なくてもいいし。それなのに、どんどんモノが溜まっていき、片付けられなくなっているのはなぜ?

一人暮らしの達人というのはやはりいるらしい。うらやましい・・・。