彷徨える艦隊5 戦艦リレントレス

ジャック・キャンベル(月岡小穂訳)『彷徨える艦隊5 戦艦リレントレス』、ハヤカワ文庫SF、2010

あとわずかのジャンプで味方星系というところまで戻ってきたアライアンス艦隊。強制収容所の捕虜を救出し、それから物資を手に入れて帰らなければならない。

前回の「情けは人のためならず」の効果で、シンディックの星系政府はもはや中央の言うことを聞かなくなりつつある。シンディックの高級将校も、簡単に籠絡されて味方を裏切るしまつ。ここまで来て、シンディックはこんなに弱くなっちゃったのか。ちょっとあわれ。

それから、例の艦隊内部の破壊工作者だが、「こんな雑魚が?」というような小物がかんたんに引っかかってしまいました。このあたりはちょっと食い足りない。異星人とのつながりとか、いろいろ新ネタが出てくるのではないかと期待していたのに・・・。

しかし、もはや偽計を弄する段階ではなく、シンディックの残存艦隊と戦ってとにかく帰還しなければならない。あいかわらずの芸術的な技で敵艦隊を撃破。「地球よ、ヤマトは帰ってきた」の巻。今回は味方星系に帰り着いたので、燃料はほとんどゼロ。「フュリアス」は破壊され、クレシダ大佐は死んじゃったけど・・・。

ようやく帰ってきたギアリーだが、できるだけ早く傷ついた艦隊を再建して、シンディックに再侵攻しなければならない。シンディックが態勢を立て直す前に講和を迫るのだ。てっきり6巻で帰りつくことになっていると思っていたので、ちょっと意外だったが、とにかく帰国おめでとう!そして6巻の翻訳はいつ出るの?

今更ながら、6巻が出てから借りればよかったと、後悔。このまま待つのは生殺しだが、オリジナルを買って読むのもたるいし・・・。とにかく待つしかない。それに異星人!いいかげん正体を現してください。