追跡!A to Z 「無縁社会の衝撃」

「追跡! A to Z」 「 無縁社会の衝撃」、NHK、2010.4.3

NHKは、このネタが当たったらしく、今日だけで2本もこの同じネタで番組を作っている。しかも夕方の1本は、2時間番組で半分は1月に放送した元ネタ番組を再放送し、それにいくつか付け足したというもの。そして夜の放送がこれ。当たったネタはとことんしゃぶりつくそうというテレビのしぶとさはおそろしい。見ている方も見ている方だが・・・。

この番組は、ツイッターで書き込みした30台の人をつかまえて取材しちゃえというお手軽な企画。またツイッターかい。まあ、一人で不安を抱えている人でツイッターをやってる人はけっこういるかもしれないが、そういう人をつかまえて、さらに不安をあおり立てるという企画はどんなものでしょう。一人でいると、いいことばかりじゃないのはあたりまえだが、それでも一人でいたいということはあると思うけど。

そして、人の孤独感で商売しようという人たちの紹介。まず、有料で「電話で話を聞くサービス」というものがあるそうな。おかねを払って、単に話を聞いてもらうというのはアリなのか?しかも、これ高いのだ。基本45分4000円。回数が増えるとちょっと割引されていくが、30回75000円だそうだ。チラシには「メンタルヘルスケア」となっているので、基本はうつ状態の人がかけているのだろうし、カウンセリングの安いバージョンと思えばそんなものか。

次は「共同墓」の事業。死んで遺骨になってから一人も共同もないと思うが、どうなのか。そもそも葬式をやってくれる親戚縁者が誰もいない人にとって、墓とか葬儀とか、必要なのだろうか。

さらに「保証人の提供」。これは、家を借りるときに必要なので、需要はあるだろう。で、いくらかかるかといえば、3万円。まあ、この程度はリスクを考えれば高いとは言えないと思う。年商30億円稼いでいる会社もあるとのこと。で、当然のように借りた部屋で死んじゃって、遺体や遺品の引き取り手がないというケースが出てくる。この始末も保証をする会社の仕事。子供が親の遺骨引き取りを断る場合もあるそうな。おそろしや。

そして、コメンテーターは内橋克人。最悪ですね。思い切り不安を煽りまくり、「不安定労働」のせいにしたり、「自己責任論」批判をぶつ。「こうあってはならない」とか言ってますが、どうしろと言うんですかあなた。この人は、具体的な対策の話はなにひとつしないからねぇ。

NHKも人の孤独感と不安感で商売するのもいいですが、もう少し節度をもってやっていただきたいものだと思う。