ルノワール展

ルノワール 伝統と革新」、国立新美術館

来週の月曜日で終わりのこの展覧会、行ける時に行っておかなければということで行ってきた。

これもむちゃくちゃ混んでいるかと思いきや、それほどたいした混みようではなかった。まあウィークデーだったからかもしれない。その点はたすかった。

展示されているものは、いくつかは外国の美術館から借りてきているが、ほとんどは日本のどこかの美術館が所蔵しているものをかき集めてきたという感じ。まあ、貸出料を考えればそのあたりはしかたないか。それでもだいたいルノワールの生涯を作品で展観できるようにはなっている。

太った裸婦がちょっと少ないような気がするし、一番メジャーなものは揃っていないが、まあそれはいいでしょう。わたしにとってはルノワールはそんなに好きな絵描きではないが、こうしていろんな絵を見ると上手い絵描きというのはこういう風に描けるのだということが、なんとなくわかってくる。合作でつくった彫刻のほうもおかれていて、形のつかみ方が厳格だということもよくわかる。これを見たからといって、そんなにルノワールが好きになったわけではないが、ルノワールの偉さは再認識させられた。

しかしショックだったのは、「イレーヌ・カーン・ダンヴェールの肖像」がなかったこと。この展覧会には出ていると聞いていたのに、なぜ?と思って図録を見ると、この絵はこの後巡回する大阪の国立国際美術館の方にしか出さないのだとのこと。なんで?

まあ事前にウェブサイトで確認しておかなかった自分が悪いのだが、実はこの絵には特別な思い入れがあり、年端の行かない子供のころに、よく行っていた場所にこの絵の大きな複製がかけてあり、自分の中ではルノワールの絵といえばこれ、と思っていた絵なのである。しかも所蔵はチューリヒの美術館なので、簡単に見に行けるようなものではない。

これ一枚のために大阪に行くかどうか決心がつかないのだが、とりあえず安い額縁に入った複製を買ってしまった。まあ、あまり大きなものだとおくところがないので困るし。展覧会は事前に調べてからいかなくては。かなりとほほなことになってしまった。