ボルゲーゼ美術館展

ボルゲーゼ美術館展」、東京都美術館

東京都美術館も修理の都合で2年ほど休館するそうで、その前の企画がこれ。もうすぐ終了だし、以前NHKの「日曜美術館」でやっていたので、混んでいたらいやだなーと思っていたが、そこそこ人はいてもそんなに混んでいるというほどのことはなかった。よかったよかった。

目玉は、ラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」、それから、ボッティチェリ、ヴェロネーゼ、カラヴァッジョといったあたり。ボルゲーゼ美術館というのは、17世紀に当時の教皇の甥で枢機卿だったシピオーネ・ボルゲーゼの別荘を美術館にしてしまったというもの。屋敷のようすが、映像で流れていたが、邸宅がりっぱなだけでなく、庭がとても広く、美しい。出品作も、当時の教皇庁所有の品を、教皇の権力でパクッてきて、我が物にしていたりと、やりたいほうだいで立派なものを集めた様子。ルネサンスの金持ちのすることはあなどれない。

ラファエロは、個人的には「まあ、こんなものですか」という感じだが、カラヴァッジョは本人やそのスクールの作品も含め、豪勢なコレクション。ボルゲーゼ自身がカラヴァッジョのパトロンだったのだそうだ。

画家の名前がわからない作品も含めて、ルネサンスの上手な絵がいろいろと揃っていて、満足度高し。ゴリアテダヴィデの絵が2点ほどあったが、ゴリアテの首は、ダヴィデの10倍くらいありそうな勢い。あと、教皇の肖像がモザイクでできていて、この細工がこまかい!金を持っている権力者の注文品にはやはり手抜きはないのである。

映像に出ていた、館内の様子を見ると、絵だけでなく、彫刻の立派なものがかなり揃っている。この展示では、オーナーの枢機卿ご本人のものだけだったが、あれだけ作品がザクザク置いてあると、実地に行ってみたらさぞ壮観なことだろうと思う。イタリアいいなあ。行きたい…。しかしおかねも暇もそうかんたんには…。