小野竹喬展

「小野竹喬展」、大阪市立美術館

12月20日の日曜日までやっていた展覧会。小野竹喬の絵を実物で見たのははじめて。1979年に亡くなった人だから、文化勲章受章者とはいえ、だんだん遠くなっている人である。この展覧会は生誕120周年記念。

絵は全部風景画。初期の頃の絵はべちゃっとした平面的な感じの絵で、なんだかなあと思っていたが、途中で線描主体の絵になってからは上手さがきわだつようになってくる。

さらに年を取ってくると、上手さも消えていって、ただ風景がそこにあるような感じの絵になる。晩年の芭蕉の句を画題にした連作は、絵が俳句に溶け込んでいるような絵になっている。それに晩年になっても、ガンガン描いているのである。えらい絵描きの一生というのはこういうものかと思う。

笠岡出身で、笠岡に個人美術館があるそうなので、今度行ってみることにする。