阿川佐和子のお見合い放浪記

阿川佐和子阿川佐和子お見合い放浪記』、講談社、2001

この本は文庫だが、元になった単行本が出たのは1995年。著者は53年生まれなので42歳の時に出した本である。文庫版のまえがきにちょっと事情が書いてあり、この本を出すことで、あきらめかけていたがまだ少し不安があった状態を整理できたというようなことだったそうだ。

お見合いは30回以上したと書かれているが、檀ふみとの対談本では檀ふみに「50回以上はしたでしょう」と言われていたはず。まあ本人が30数回といっているのだし、たいした違いはない。

読んでみると、20代の頃は結婚する気満々で、キャスターになってからも仕事は一時の腰掛けでいずれは結婚するものだと思っていたと書いてある。それではなぜ結婚していないかといえば、相手に恋愛的な要素を望んでいて、それでうまくいかなかったということだ。まあ出逢いの有無などそんなものかとも思うが、美人で有名人なのだから、見合いがダメでも相手くらいどうにでもなりそうな気はするが・・・。

とはいっても、著者の場合は結婚しなくてもなんとかなる境遇になってしまったから結婚しなかったわけで、本の中でも結婚しなかったことを後悔しているとは言っていない。人生経験だと割り切っているので、問題はない?らしい。

肝心の見合いの体験談だが、ことの性質上あまりエグい話は載っていないものの、これはちょっとねーという感じの男が多いなあという感じ。著者のことなので、相手もそれなりの社会的地位の人が多いが、そういう人たちにはなかなか扱いづらい人が多いのかもしれない。

最後についているイラストレーターの阿部真理子との対談はけっこう笑える。