バレンシア歌劇場 ワルキューレ

ワーグナー 楽劇「ワルキューレ

   ジークムント:ペーター・ザイフェルト
   ジークリンデ:ペトラ・マリア・シュニッツァー
   ヴォータン:ユハ・ウーシタロ
   ブリュンヒルデ:ジェニファー・ウィルソン

   ズービン・メータ指揮、バレンシア州管弦楽団、ソフィア王妃芸術館、2007.4~5

クラシカ・ジャパンの今月の目玉が、バレンシアでの「指環」前半の2作。「ラインの黄金」も録画してあるのだが、こちらから先に見ることにした。

最初の幕があいて、ジークリンデの格好におどろいた。メデューサみたいな髪型、文身(三角形で、ウロコを連想させる)、野蛮人みたいな衣装、ほとんど魚か爬虫類みたいである。ジークムントもそれなりにワイルドな格好だが、ここまですごくはなかった。これはいったい何のマネ?しかし、声は出ている。ところどころ微妙に外れたり、オーケストラと合っていないところはあったが、それでもあそこまで声が出ていれば満足。1幕のラストのところはほとんど完璧に歌っていた。

2幕はフリッカのおねえさんがきれい。対照的にブリュンヒルデのウィルソンは、めちゃめちゃガタイのいいおねえさんだが、その分、声はボリューム満点のよい声。

3幕は、このブリュンヒルデにヴォータンのウーシタロもしっかり絡んでいて、感動的に締めた。メータの指揮はところどころ、変にゆっくりと演奏していたのがどうかと思うが、終わりはちゃんと盛り上がったからいいか。

舞台は、巨大な液晶?か何かのスクリーンパネルを舞台に立て、そこにいろんな映像を映すというもの。このアイディアは非常によい。映像を工夫して、いろんなものを出せる。歌手は、主導のクレーンに乗って出てきて、空中から歌っている。このやり方もいいと思う。見ていてとてもおもしろかった。とりあえず、これなら「ラインの黄金」にも期待は大。