突入!痛戦車小隊

吉岡平『突入!痛戦車小隊』、朝日新聞出版、2009

2020年代二酸化炭素排出量とエネルギーの割り当てを戦争オリンピックで決めるようになっている世界のおはなし。戦争というのは5両1チームの戦車同士の戦闘だ。日本チームの監督には女子高生がついて、戦車には萌え絵がペイント・・・というところからこのタイトルがついているが、内容はまるっきり戦車の話。未来の戦車がどうなっているかについて、いろいろと入れ込んで書かれているので、戦車がお好きな方にはこたえられない、かもしれない。

自衛隊の現有戦車の二代後の戦車とか(20年代初頭に次の次が開発されているというのは絶対ムリだと思うが、著者は次期戦車が気に入らないらしい)、各国の次期主力戦車とか、読んでてちょっと楽しくなるが、自衛隊のもの以外は外形のイラストがないのが悲しい。まあしかたないけど。自分はスペックだけ見てわくわくできないし・・・。しかし第二次大戦時の戦車を復刻させて戦わせるとか、それなりに戦車好きの心をくすぐる設定はマル。

こういう本がなぜ朝日新聞出版から?と思ったら、朝日ソノラマがつぶれた後、事業が朝日新聞出版に吸収されたそうだ。巻末にラノベの広告がたくさん出ていたのでした。