開運修業

辛酸なめ子『開運修業』、講談社、2009

今年出た、なめ子様の本。やっと図書館の予約の順番が回ってきて手元に。なめ子様、最近いつも図書館で借りるばかりで申し訳ありません。

内容はなめ子様が開運を求めて、運がよくなりそうなパワースポットだの、占いだのといった関係のところを回るというもの。文春の「ヨコモレ通信」と同じ取材系の文章だが、ヨコモレ通信が本人としてはかなりどうでもよさそうなところを回らされていて、たまにイヤイヤやってる感が噴き出しているのに、こちらの方はなめ子様のやる気がうかがえて読んでいる方も楽しい。初出誌の「MouRa」って何?全く読んだことがないどころか、名前を聞いたこともないが、講談社の雑誌らしい。

後半は、読売新聞のサイト「yorimo」で一ヶ月間連載した「開運日記」。こちらのほうが絶対おもしろい。やはりなめ子様の文章は、やる気を出してどこかに行ってというよりは、身の回りのいろんなことを適当に書いたものの方がたのしく読めるのだ。タトゥーの追っかけとか、東京湾花火大会を天王洲アイルで見ようと、お店に入ろうとしたらビュッフェが17000円ですと言われて退散、とか笑いなしでは読めない。なめ子様の元気な生活を垣間見られたところもよかった。次の予約本が早く届きますように。