染付─藍が彩るアジアの器

「染付─藍が彩るアジアの器」、東京国立博物館

これもこの前の日曜日、9月6日まで東博平成館の2階左半分を使ってやっていた展覧会。「伊勢神宮」の方より、見た目にはこちらのほうが楽しめると思うが、客はそんなにいなかった。見る方としてはすいているほうがいいわけだが。

中国で染付の技法が完成したのは元代からなので、元、明、清代の染付が時代別に並べられ、それと並行して、ベトナム、朝鮮、日本の染付が並ぶ。元代の作品でも、すでに立派に完成されていて、色の鮮やかさ、模様の精妙さ、形の優美さ、どれをとってもすばらしい。ベトナムの染付は、白色と藍色の対比という点からはくすんでいて、ちょっと派手さに欠ける印象。朝鮮の染付もそれほど派手ではないのだが、こちらはつくりが繊細で品がある感じ。

日本のものは、伊万里、鍋島、京焼などいろいろ置いてあるが、幕末の伊万里大皿が集中的に並べられているところは圧巻。最後は、朝食、酒席、茶席と趣向を変えて、染付を使ったセッティングがしてあって、これも楽しめた。まあ、こういう器で実際に飲食するのは想像の世界だけなのだが、実物がちゃんと陳列してあると、いろいろ妄想が広がって、ちょっと気分がよくなるのである。