コレクション/コネクション 福岡市美術館の30年

「コレクション/コネクション ─福岡市美術館の30年」、福岡市美術館

博多に行く機会があったのだが、九州国立博物館興福寺の阿修羅様で、これはもう見た。福岡アジア美術館は休館中。福岡県立美術館はこれといった展示なし、ということでこれを見にいくことに。この美術館には行ったことがなかったのだが、大濠公園のところにあって、バス停から3分くらい歩くとすぐである。

この展示は、美術館の蔵出し展で、市民用に貸し出している部屋以外の全部の部屋を使って、所蔵品のめぼしいものを片っ端から並べるというもの。収集方針が書いてあったのだが、「なるべく近現代、20世紀以降のもの」、「アジアのもの」(これはほとんど福岡アジア美術館に移管したらしいが)、「九州ゆかりのもの」、「いわゆる名物」というようなポリシーで集めているらしい。それらを出せるだけ出しているので、頭の整理がつかなくなって、非常に疲れた。

もちろん、部屋ごとにテーマを決めて作品をまとめておいてあるのだが、部屋が違うとまるっきりバラバラになっているので、どんどん頭を切り換えて見ていかないといけないのである。本当は2日くらいかけて見るのがいいのかもしれない。所蔵品だけなので、入館料も500円と、お安い。

いろいろある中では、大竹伸朗の鉄枠を積み重ねたような作品が金属のがしがしとした存在感で迫ってきて、強烈。やなぎみわの、「Eternal City I」という青い制服を着たおねえさんが寄り集まっている(みな同じ顔)壁一杯の大きな写真も印象が強かった。1階に古いものが固めて置いてあって、東光院というお寺の仏像を所狭しと並べてあるお部屋でやっとほっとすることができた。

出かけたのは30日の日曜日だったのだが、この日は松岡涼子の舞踏の会というものがあった。2階のロビーにプロジェクターで映像が流れていて、そこでダンスが始まるはずなのだが時間になっても暗くなっただけで何も起こらない。何やってんの、と思っていたら、さっきまでロビー横のわたしのとなりの地べたに座って荷物をおいていたおねえさんが、客から1列前に移っていて、それが松岡涼子その人。実はダンスはもう始まっていたのである。しかし普通のダンスではなく、動いているのかどうかもよくわからないようなゆっくりした動きでかたつむりのように移動していくので、前の晩よく寝ていなかったわたしは、眠さに耐えきれず、半分以上は寝てしまった。こっちの集中力が切れているところでダンスを見るのはやっぱりムリでした。