皇室へのソボクなギモン

辛酸なめ子竹田恒泰『皇室へのソボクなギモン』、扶桑社、2007

旧皇族出身で皇位継承問題についても積極的に発言している竹田恒泰辛酸なめ子の皇室をネタにした対談本。辛酸なめ子が質問して、それに竹田恒泰が答える形式で、いろんな話が出てくるのだが、アホみたいな質問も含めて、普通だったら聞かないようなことを辛酸なめ子が次々と聞くので、そこがけっこうおもしろい。

天皇や皇族に物を贈ることへの規制(天皇が受け取れる金品は年間に600万円までなので、事前に調整してその金額内に抑えるようにしているとのこと)とか、女性の皇族の名前にはみな「子」がつき、そうでない例は1600年遡らないと見つからないとか、皇族への敬称に「様」を使うようになったのは「某通信社」(共同か時事かは書いていない)が「開かれた皇室」を標榜して始めたことだとか、知らないことがたくさん出てきて、その部分だけでも楽しめる。

あと、神器を扱う「掌典職」のきまりごとには驚かされた。まあ「穢れ」について日本で一番厳しいのがこの仕事だろう。外に出ること自体が「穢れ」状態だとか、外部との連絡もほとんど取れないとか、これはほんとうにすごい。生理の時とそうでない時のために生活用具をすべて2セット持っていて、使い分けるという話にも驚いた。現代日本にそういう場所と、そういう習慣を守っている人たちがいるというだけですごい話である。

「雅子妃問題」や、「皇位継承問題」、富田前宮内庁長官の手記問題など、議論になっていることについてもきちんと触れられている。皇室問題に関心を持っている人は一読する価値がある本。