絵画と写真の交差

「絵画と写真の交差-印象派誕生の軌跡」、ひろしま美術館

今日までやっていた展覧会。基本は写真なのだが、写真の発達が絵画にどういう影響を与えてきたのか、絵画の流れが写真にどういう影響を与えてきたのか、というテーマの展覧会。

絵画のほうはルネサンスの遠近法から、印象派まで、写真のほうは、写真以前の、カメラ・オブスキュラやカメラ・ルシーダの装置の図版から、ダゲレオタイプのカメラ、現代の写真までいろいろ。

カナレットの精細な絵は見ていておもしろかった。写真発明以前から、写真技術がいろいろな画家に利用されてきたことも初めて知った。マイブリッジの連続写真とか、実物を見て、「駆けている時の馬の足は四本が全部伸びた状態になっていない」というお話を納得させられたりする。ドガが踊り子の動きや湯浴みをする女の影を描くのに写真をどう使っていたかも、ネガと絵を並べて見せてあって、おもしろい。

作品のほとんどは東京富士美術館からの借り物なのだが、ここはまだ行ったことがない。今度行ってみたいけど、あそこは遠いから・・・。展覧会全体として、かなり「学術的」なもので、展示の意味をちゃんととろうと思ったら、図録をきちんと読まないといけないような種類のもの。図録は当然非常に分厚く、どうせこれも県立図書館の図書室あたりに収納されるだろうと思ったので買わずにすませる。もうちょっと早く行けていれば、ギャラリートークとかも聴けたのに。いつも期限ギリギリになるまで行かないので悲しいことに。今度からはちゃんと催しの予定を調べて行かなければ。