京都美術鑑賞入門

布施英利『京都美術鑑賞入門』、ちくまプリマー新書、2009

著者は「はじめに」のところで、中学三年の息子が修学旅行で京都に行くので、そうした京都初心者に対して京都の美をわかりやすく紹介するためにこの本を書いたといっている。そのとおり、中学生くらいの予備知識なしの読者でも読めるように、また京都の「メジャーな」見どころをカバーするように書かれている。東大寺法隆寺も入っているので、正確には「京都、奈良にみる日本の美」というような感じの本。

名所、作品、芸術家にわけて、それらのどこに美があるのか、どんな風に見ればおもしろく見られるのか、ということをていねいに解説している。「京都は町全体が美術館」というスタンスで、町のいたるところに美を見つけようとする態度。京都観光はこれが大事ですね。