檀ふみの茶の湯はじめ

檀ふみ檀ふみ茶の湯はじめ』、アシェット婦人画報社、2008

檀ふみが50の手習い(もちろん年齢のことは書いてないが)で、すでにお茶を習っている編集者に連れ回され、座禅から、茶碗づくり、菓子づくり、茶杓削り、仕覆づくりから、朝茶事、自分が亭主の茶会まで、お茶の先生がやるようなことをひととおり経験する。もちろんそれぞれに師匠がそのつどつきっきりでついているのだが、ふつうの人が畳の目を数えろとか何とか細かいことから仕込まれるのとは違い、茶道のいろんなことを取材リポート(本人体験つき)させられるというもの。お茶のことなどぜんぜん知らない人にとっては、こっちのほうが楽しめる。写真がやたら多く、それも婦人画報の連載なので、きれいに撮られている。色気はないけど品はいい檀ふみは、こういうことをさせると絵になる人である。最初に檀ふみ自筆とおぼしい、茶会へのお招き状の写真が出ていて、習字のお手本のようなきれいなお手紙。

お茶の入門書というよりは、ちょっと趣向の変わったお茶の図鑑と思って読むとおもしろい。最後は、連載を読んでいたさる富豪の茶人から、檀ふみがこれまた普通でない趣向の茶会で接待されるということになっていて、これがまた普通ではできない経験である。檀ふみは年を食ってからいろんなことを経験できていいなあ。