帰ってこさせられた33分探偵 鞍馬六郎推理ファイル

『帰ってこさせられた33分探偵 [シナリオ・ガイドブック] 鞍馬六郎推理ファイル』、扶桑社、2009

「帰ってこさせられた33分探偵」の3月、4月放送分5話のシナリオと、メインキャスト、脚本・監督の福田雄一のインタビューが載った本。まあテレビ本です。しかし「33分探偵」は、シナリオで読むとテレビで見るにもまして味わい深い。脚本と、実作品でどこが違っているかを眺めているだけで楽しいのである。

今回は、自分的には、11話「京都・旅館殺人をもたす」がツボ。大田原警部が出ないことが残念だが、沢村一樹はテンション高いし、時刻表トリック(ぜんぜんトリックになっていない)、リカコの見合い、情報屋のナイツと小島よしお、六郎の台詞「ものすごく頼み込んだら、乗せてくれるよね!」(ここは、シナリオでは、「ものすごく頼み込んだら乗せてくれるんじゃないの!?」になっている)まで、おいしいところがてんこ盛りの回。番外編の9.5話はまあどっちでもいいが、どの回も、2008年放送分の9話と同じレベルか、それ以上で完成度高い。

配役もいいが、やっぱりこのドラマは福田雄一の脚本と演出。ほんとは、1クール続いてほしいが、このレベルで1度に13話か12話書いて撮るのはムリなんだろうなあ。収録されているインタビューでは、福田雄一は「9回二死満塁くらいで登板したい」と言っているので、これからもちょこちょことシーズンの切れ目にやってほしい。というか、最近ドラマで見たいものは全然なし(天地人は惰性だけで見ているが、もう見る気力がほとんど残ってない)。これくらいしか見たいものがないのに・・・。