Story of ...

「Story of...」、東京国立博物館

これは表慶館でやっていたカルティエの展覧会。ほとんどの人は平成館の「国宝 阿修羅展」に行っていたので、こっちはけっこうすいていた。しかし、内容はけっこう充実。

目玉はパンフレットにも載っている、インドのマハラジャカルティエに作らせたというとんでもない大きさの宝石がついた首飾り。素人が一見しただけでも軍艦でも買えそうな勢いの豪華な品。とにかくマハラジャの財力はすごいらしく、大きな石がはまったアクセサリーがばしばし並んでいた。

あとは中国人特注とおぼしき翡翠の細工やら、レーニエ大公がグレース・ケリーに贈ったジュエリーやら、いろんな由緒のある品がそこらじゅうに並ぶ。どういうしかけか、ジュエリーのおいてあるケースの上に文字や写真が投影され、そのジュエリーの所有者との関わりを説明するようになっている。チャーチルが息子に贈ったシガレットケース(なくしても届くように、わざわざ息子の住所が彫り込んである)とか、なかなか可愛い。ジャン・コクトーがアカデミー会員になったときに贈られた飾りの剣は豪華。そういうものがゴロゴロと並び、「王の宝石商、宝石商の王」と言われたカルティエと客たちの物語が語られる。

それにしても、有名人の特注で製作した品物とか、なんでそれがカルティエのコレクションの中にあるのか?まさかモナコの大公家がそんなものを寄付するとは思えないし、レプリカでもないだろうし、ふしぎでしかたがない。さすがにとんでもない値段がしそうなものがゴロゴロ並べられているので、制服を着た警備員がものものしく各部屋を見張っている。会場を出たところに物販コーナーがあって、何を売っているのかとおもったら、はがきとカルティエの模様の入ったTシャツだった。貧乏人にはそれ以上は無理のようす。