快読100万語!ペーパーバックへの道

『快読100万語!ペーパーバックへの道』酒井邦秀、ちくま学芸文庫、2002

英語学習の方法論の本。とにかく、英語の簡単な本(graded readers)をたくさん読め、辞書はひくな、というもの。最初は?と思っていたが、読み進めていくと、著者がそのように主張する根拠はけっこうわかりやすい。日本語に英語の文章を置き換えていてはいつまでたっても、英語を英語として習得することはできないし、辞書に載っている意味は単語を日本語に置き換えただけで、それでは英語理解にはならないというもの。英語の翻訳書の誤訳も、ほとんどの原因は英語の文章を日本語風に理解しようとしていることになるという。冠詞の意味についての文章はとてもわかりやすかった。

ただし著者の方法で英語を学ぼうとすると、相当大量の文章を読む必要があって(まあ、それはどういう方法でも同じだと思うが)、これをまめにやるのに根気がいる。まあgraded readerは一冊が薄いから、いきなり厚いpaperbackにとりつくよりは登りやすいかもしれない。頃合いのいいことに、graded readerをたくさんおいている図書館があるので、試しに何冊か借りてみることにする。