駅2008 鶴見線に降りたアートたち2

「駅2008 鶴見線に降りたアートたち」

結局先週に続いて、昨日の土曜日に学芸員の解説付きのツアーに行ってしまった。この展覧会も今日、12月7日で最終日なのだ。昨日の13時30分に鶴見駅に行ったところ、思ってたよりもけっこうな人だかりが。たぶん60人か70人くらいはいたのではないか。年齢、性別、一人か複数か、等々バラバラな人たちだった。鉄道めあての人もアートめあての人も両方いたようだ。

鶴見駅では、次の扇町行きの電車までに30分あったので、学芸員からかんたんな説明があり、そのあと鶴見駅にある作品の作家、木村幸恵さんという人が簡単な説明を。しかし声が小さくほとんど聞き取れない。うーむ。そのあと扇町駅にいくと、そこの作品の作家、Manaさんとそのお仲間さんがいて、粘土団子に植物の種(クローバー)を入れて、いろんなところにばらまくプロジェクトのワークショップがあった。これはかなりやってみたかったのだが、17時から予定が入っていたので参加はできなかった。とてもざんねん。扇町駅のネコは先週は一匹だけだったが、昨日行ったときには3匹いた!町はずれの終着駅の庭にネコはとてもなじんでいるようすだった。

次に浅野駅で乗り換えて海芝浦駅に。ここの林武史の作品には「のぼらないでください」という板があったので先週はのぼらなかった。ところが学芸員の説明によれば、作家さんとしてはじつはどんどん作品の上に立ってみてほしいのだが、安全上の配慮かなにかでこういう看板をつけているだけなので、好きに登ってみてくださいとのこと。土と藁でできているものなので、すでにちょっと形が崩れている。こうして展示物は自然の中に帰っていくのでしたというおはなし。

海芝浦から引っ返してまた浅野駅に。ここでは駅に、廃材を使って木彫を作っている、安藤栄作さんという人の作品がごろごろとおいてあった。駅舎の屋根の上に作品を置きたかったのだが、JRに断られたとのこと。あまりJRは展覧会に協力的ではないようだ。駅舎の建物(無人駅なので、がらんとしている)を使って、5人の作家の紹介やほかの作品の写真なんかがおいてあった。ここでも先ほどの木村幸恵さんが出てきて自分の作品の説明があり、今度は室内だったので、よく聞こえた。ビニールを貼ってつくった人型のモビールがふわふわと揺れていて、それにゆうれいという名前がついている。ふわふわとしたよるべなさがはかなげでよい。

最後は国道駅。ここは韓国の作家で高明根という人の、駅と鶴見川の写真を使って作った作品が。なんでも輸送途中で一部壊れてしまったらしく、作家もあきらめてそのまま展示してくださいということになったそうだ。しかしこの国道駅は強烈な場所。学芸員は「昭和レトロ」と言っていたが、そんな甘い言葉では表現できない。高い高架の駅の下がトンネル状になっていて、そこに廃墟のようなテナント(串焼き屋とか、釣り船屋とか)があるのだが、はたして営業しているのかどうかわからない。トイレはろくに掃除していないらしく、外に強い臭気が漂ってくる。30年くらい時間がとまったような場所である。

ツアーは国道駅で解散となり、参加者はそのまま次の電車で鶴見に行く人も、近くを散策しながら歩いていくひとも、それぞれの道で帰っていく。二週連続だったけど、このツアーには行ってよかった。国道駅の様子はもしかすると夢に出てくるかもしれない。