スリランカ 輝く島の美に出会う

スリランカ 輝く島の美に出会う」、東京国立博物館

この展覧会は今日まで。それもあってか、けっこうな人出だった。内容は古代から、中世、近代までのスリランカ美術を一望するというもの。古代の作品は、それでもほとんどが5世紀から10世紀くらいの時期のものだが、だいたい仏教美術。仏像はちょっと顔が長い特徴のあるつくりのものが多い。ちょっとリラックスして、腰掛けて体を伸ばして座っている観音像とか、南伝仏教に特徴的な作品。治療用の薬湯入浴用バスタブ(石造)というのがあったが、ちょうど人の形どおりに石が彫ってあって、入ると窮屈そう。しかもかなり体の小さい人用で(解説には仏僧が使うものだとあったが)、現代日本人には無理な感じ。

中世になると南インドから入ってきたヒンドゥー教の要素が濃くなってきて、シヴァ神ガネーシャ像なんかが現れるようになる。仏像の顔立ちも変わってきておもしろい。かなりインドっぽい感じが強くなる。

近代の作品はほとんどが工芸品。蝶を象ったブローチとか、装飾品の細工は非常に緻密。金や宝石がふんだんに使われていて、見ていても華やか。イギリスから来た要素も入っているようだ。

スリランカの歴史とか、ほとんど知らなかったので、時代ごとのいろんな要素を見られておもしろかった。遺跡の写真がふんだんにあり、緑の中に古代や中世の遺跡がぽつねんとある風景が美しい。機会があったら、ぜひ行ってみたいなあ。パンフレットに、ウィッキーさんがメッセージを寄せていた。ウィッキーさんはアフリカの人かと思っていたら、スリランカの出身だと初めて知った。