なぜ、子どもたちは遊園地に行かなくなったのか?

『なぜ、子どもたちは遊園地に行かなくなったのか?』白土健、青井なつき(編著)、創成社新書、2008

タイトルからは、遊園地の盛衰についての分析的な本のような印象を受ける(実際にそういう章もある)が、ほとんどは、もうなくなってしまった遊園地(基本的に関東地区)の歴史についての本。

横浜ドリームランド、向ヶ丘遊園多摩川園、二子玉川園、行川アイランド船橋ヘルスセンター、五島プラネタリウム小山ゆうえんち、上野動物園の「おサル電車」、デパート屋上遊園地が取り上げられていて、それぞれの施設がどういう経緯でできて、閉鎖されたかについて、けっこうよく調べて書かれている。自分は関東地区で育っていないので、ここに上がっている施設はほとんど行ったことがない(二子玉川園だけ一度いったきり)。今考えてみれば横浜ドリームランドとか、行川アイランドとか、向ヶ丘遊園とか、行こうと思えば行けたのにほんとにもったいないことをした。

写真はそれなりにのっているのだが、欲を言えばもうちょっと写真を増やしてほしかったし、施設の全体図があればなおよかった。それでも、もうなくなってしまった遊園地をなつかしむことができる貴重な本。この手の施設は閉鎖されると資料も散逸してしまうことが多いので、こういう仕事は大事である。