三国志(1)

三国志』第一巻、宮城谷昌光文藝春秋、2004

まだ連載中の宮城谷昌光の「三国志」。とりあえず読んでみた。続き物の小説は全部読んでから書くことにしていたが、これは内容にびっくりしたのでとりあえず一巻を読んだ時点で書いておく。

宮城谷昌光がこの題で書く以上、「演義」ではないというのは見当がついていたが、それにしてもこの内容はちょっとどうよ。この340ページの本が終わった時点で、黄巾の乱どころか、桓帝霊帝すらまだ出てこない。話がはじまるのがなにしろ光武帝からで、西暦50年。この一巻が終わった時点で質帝が崩御した145年である。曹操は生まれてもおらず、祖父の曹騰の話である。「三国志」どころか、「後漢書」の内容。登場人物の名前にまったくなじみがないので、そのぶん読みづらいが内容自体は淡々と読める。しかしこの調子では終わるまでに何巻いるのか?当然呉の滅亡まで書くと思うから、えらいことになるなー。

と思ってアマゾンのレビューを見たら、7巻で三国鼎立状態までいっていた。これなら10巻くらいで終わりそう。まあ陳寿の『三国志』よりは読みやすいと思うから最後まで読んでみるつもりだが、この調子で進むとヤマのない話になりそう。まあ歴史書と思えばいいか。