液晶絵画

「液晶絵画」、国立国際美術館

この6月15日(日)までやっていた展覧会。終わる前にあわてて行ってきた。内容はビデオアートの展覧会。それをあえて「液晶絵画」といっているのは、展示品が「絵画」と「映像」の境界線をゆるがす新しいジャンルの芸術なのだ、といいたいということらしい。液晶(だけじゃなくて、スクリーンにプロジェクターで映している作品もあるのだが)を使うことで、薄い画面に明るい部屋でいろんな画像を映すことができ、それを動かせる。そこでいろいろやってみましょうというおはなし。

おもしろかったのは、サム・テイラー=ウッドの「リトル・デス」。テーブルにおいたウサギの死体が腐ってウジがわき、残骸になっていくようすを低速度撮影で写したもので、仏教でいう不浄観のウサギ版のような感じ。

それから、鷹野隆大「電動ばらばら2008」。ディスプレイの中で男女が着ているものを脱いでいく映像が繰り返されているのだが(全裸だが、さすがに陰部には消しが入ってる)、頭の部分にあたるところだけは会場のカメラに映ったものが映し出されるようになっていて、自分の顔が映って、体がどんどん全裸になっていく、というもの。モデルは体のきれいなお兄さんとお姉さん(らしき人)だったが、すごいデブとか老人の体でもよかったかもしれない。

それから千住博「水の森」。屏風状に折り曲げられた液晶画面に、水辺の風景がわずかな動きとともに映っているというもので、つまり「動く屏風絵」。これは実際に和室に置いてみるとおもしろそう。

あんまり人気ないかなと思っていたが、最終日だということもあったのか、けっこうお客は多かった。